関係者各位

元アラスカ大学地球物理研究所長、前北極圏研究センター所長の赤祖父俊一教授の特
別セミナーを、以下の要領で開催します。ふるってご参加ください。

草野完也
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セミナータイトル: 現在未解決の問題を電流系で考える

講演者  アラスカ大学国際北極圏研究センター  赤祖父俊一

日時 2011年2月16日(水)13時―15時

場所 名古屋大学東山キャンパス 高等研究館1階会議室



概要: 1967年、ノルウェーで開かれたBirkeland symposiumで、MHD理論の創始者で
あるアルヴェーンは、宇宙電磁気学(MHD理論)は多くの問題の理解と解決に役立っ
たが、解決のできない問題のためには宇宙電磁気学の再出発が必要である。そのため
には、電磁流体に“氷づけ(frozen-in)”になっている磁力線を“霜解け
(thaw)”する必要があると述べた。彼はさらに、電磁気学の本質的な性質を理解す
るためには、磁力線を取り上げることと電流系を取り上げることは同等であると述べ
た。

しかし、それから40年以上過ぎているにもかかわらず、磁力線は氷づけのままであ
り、電流系を考察する者は少ない。そして、解決できない(または、解決/理解され
ていると教えられている)問題は、依然として解決されていない。

一番簡単な黒点を例にとってみよう。光球面下の磁力管が浮上して一対の黒点ができ
ると教えられてきたが、磁力管はどうしてできるのか(どんな電流系が必要か、そし
てそれがどうしてできるのか)。また、一つだけの黒点(黒点は多数ある)をどうし
て説明できるのか。サブストームは磁気圏尾での再結合によるとするが、オーロラの
観測に合わない。太陽フレアも再結合で本当に説明できるのか。これらの考察は少な
くとも固い頭の体操になる。
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Kanya Kusano / 草野 完也
Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Nagoya University
http://st4a.stelab.nagoya-u.ac.jp/kusano/
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名古屋大学 太陽地球環境研究所 総合解析部門
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独立行政法人海洋研究開発機構(兼務)
地球内部ダイナミクス領域
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